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戦後突然ヒーローに祭り上げられた信長

大間違いの織田信長 ⑪ 戦前に信長を評価したのは、たったの三人!?

戦後民主主義のヒーローとしての信長の真実の姿は歪められている?真実の信長像を知ることで、新たな日本史の歴史観が構築される! 気鋭の保守の論客倉山満が挑む新境地! 絶賛発売中の『大間違いの織田信長』(KKベストセラーズ)を上梓した、倉山満氏が人間信長の魅力に迫る!

戦前に信長を評価したのは、たったの三人

 私が調べたところ、戦前に信長を評価した人物が三人います。

 一人目が田中義成(よしなり)という、東京帝国大学の教授です。著書の中では、『南北朝時代史』『足利時代史』『織田時代史』『豊臣時代史』(全て講談社学術文庫)と分けて書いていますが、信長がオリジナルで秀吉はそれを継いだだけ、という珍しい評価をしている方です。

 それから徳富(とくとみ)蘇峰(そほう)。戦時中は大日本言論報国会に関わり、「東条英機と徳富蘇峰には不敬罪が適用される」と陰口を叩かれた、論壇のドンと言われた人です。『近世日本国民史』という全百巻の本で明治維新を書きたかったらしく、明治維新を語るには徳川だ、徳川を語るには豊臣だ、豊臣を語るには織田だ、と織田信長から西郷隆盛が死ぬまでが描かれています。出だしの人はヒーローでいてくれないとウケが悪いので、とにかく信長をヒーロー扱いしています。

 三人目は、今井林太郎という一般にはまったく無名の学者です。戦前、戦中、戦後と一貫して信長を褒めていて、信長というのは実に革新的だと強調していました。

 この三人くらいです。

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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